Core's Blog

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USB Type-Cの延長ケーブルは、規格違反。

先日iPad miniにUSB Type-CなmicroSDカードリーダーを挿そうとしたところ、リーダーの筐体がデカすぎてケースと干渉してささらないというプチ事件が起きました。これ、延長ケーブル買えば解決なのでは、と思ったのですが、よく考えたら規格的にダメじゃねということで改めてUSB Type-Cの規格を確認してきました。

 

【2022/3/24追記】

記事内でコネクタ形状であるType-A, B, Cを優劣をつけて記載していましたが、コメントで指摘を頂き、表現として誤りであるため修正しました。主張内容については変更はありません。

 

結論から書けば、規格違反。

まず、ポピュラーな規格違反について。

割と有名な話で、Type-Cを変換するようなアダプタは規格違反です。例えばType-C(レセプタクル)→Type-A(プラグ)とかです。こういうのはAmazonとかでも普通に売っているので要注意です。一見便利そうというか実際便利だと思われるのですが、仕様上発火や発熱するリスクがあり、実際にレビューでも発熱して溶けた事例が報告されています。

 

目安にならない、Amazon's Choice。

地味な罠が、発火とかのリスクを抱えている商品にAmazon's Choiceとか平気で書かれている点。Amazon's Choiceの実態はAmazonが「これいいんじゃね?」と思ったものに対して付けているバッジです。一応レビューと価格と発送期限が基準で付けているものらしい。何が言いたいかというと、これらはAmazonが勝手に推しているだけであって、そいつらが規格に適合した商品だとか、そういった安全性を保証する称号ではないということです。

実際いろいろ調べていると「Amazon's Choiceだから品質は大丈夫!」とか書いている記事がたくさんあります。これ、その記事の執筆者がどうこうの前にろくな基準で選定してないAmazonが悪いと筆者は考えています。「Amazonお墨付きなら安心」と思ってしまう購入者は少なくないはずですし、何よりAmazon側もこれを目指していると思うのですが、現状はそうではありません。Amazon's Choiceはアテにしてはいけません。

勘違いしてほしくないのは、Amazon's Choiceの中に問題のある製品が混入している、ということであり、Amazon's Choiceがある=全てが粗悪品という訳ではないことです。もちろん無問題である優良な商品も多くあります。

 

で、延長ケーブルは?

話を本題に戻して、Type-C(レセプタクル)→Type-C(プラグ)という延長ケーブルはどうかという話。実は延長ケーブルであっても規格違反となります。まず、USB Type-Cの変換についてはMicro-B(レセプタクル)→Type-C(プラグ, USB 2.0)とType-A(レセプタクル)→Type-C(プラグ, USB 3.1 Gen1)以外は基本的に認められていません。これら以外の変換を使用していて発火したり不具合が生じたりしたとしても不思議ではありません。

で、USB Type-Cのレセプタクルを持った変換アダプタは規格で認められていません。 「type c 変換アダプタ 規格」とかで調べても意外としっかり書いている記事が少ないので「実はいいんじゃね?」とか思ってしまいますが、購入や使用はしないこと推奨です。発火、発熱事例までは見つけられなかったものの、Type-Cなのに片面しか対応していないと言う妙な挙動をする報告は見かけたので、手を出さないのが吉でしょう。

さらに、USBについてはケーブルの長さについても規格で明確に定められています。USB3.xのType-Cケーブルの場合、ほとんどが1m以内という規定があるので、それ以上の場合は注意が必要です。ただし、プラグの組み合わせやUSBのバージョンによってはそれよりも長いものも許可されていることもあります。

規格について明記していない記事が多い延長ケーブルですが、実はこのように問題が山積みです。

 

規格策定側も、悪い。

USB、何を目指した規格なんだと。一般に浸透していてかなりの頻度で使われる規格で、発火のリスクすらある製品が普通に出回っているのは問題です。言わずもがな最大の問題はそういう製品を世に送り出すメーカーですが、策定元が下位互換性を中途半端にこだわったせいでこのような状態になったとも考えられます。筆者はこのへんの業界に興味を持っているので事前に判断ができますが、何も興味もない人が見かけてしまい、便利そうだと感じれば買ってしまうのは普通の流れです。ましてや「規格違反だ」とか指摘されてもなんのこっちゃですし、発火したら意味がわからんという状態でしょう。

もともと手軽さを求めた規格だと思うのですが、業界人とかにしか知られていない仕様がある、しかもリスクを孕んでいるというのはいかがなものかと。USB3.xの名称変更とかもそうですが、もう何を目指してる規格なのかわかりません。マーケティング都合以外の理由があるのであれば是非説明してもらいたいところです。

 

物理的に挿さる、トラップ。

色々な規格が進化した現状、物理的に挿さればOKという時代は終わったなという感じがします。このUSBもそうですが、HDMIにしたって、LANケーブルにしたって、バージョンが多すぎて、どこからが何に対応しているのかはこの辺の知識がある人間でなければわかりません。自分の手持ちのinspiron5480がまさに良い例なのですが、HDMIは1.4でFHDまで、RJ-45は100BASE-TXまで。そもそも、これらにバージョンがあることを知っている利用者が何割いるのか。