Core's Blog

何か、いろいろ書く。

HDL2-AAX0/Eを買ったので、使ってみる。

筆者はTeraStation TS3200Dを今まで使っていたのですが、6年前のモデルということもあり、そして2.5GbEのNASへの興味は捨てきれず。

ついうっかり手を出してしまいました。

 

実は、2TBモデルの方が安い。

筆者は、後述する理由よりHDDなしモデルを選択したのですが、Amazonで見ればわかる通り実はドライブなしモデルよりも2TBの方が2000円高いだけで、2TBモデル買ったほうが2000円で新品な1TB HDDが2つついてくるのでお得です。筆者の様な謎のこだわりがない方や、ファームウェア書いたりHDD入れたりするのが面倒な方は2TBモデル以降をおすすめします。

一応、2TBモデル以降も増量換装は可能なようです。

 

何故、HDDなしを選んだのか。

1週間ほど前にこのNASを購入することを決意し、その時は2TBモデルであるHDL2-AAX2/Eをカートに突っ込んでいました。支払いしようかと思った時に、筆者の経験則がストップをかけました。なんか、嫌な予感がする。で、調べました。

 

ファームを、0から書けない。

嫌な予感的中。

筆者は2.5GbEを活用するべく、このNASはRAID0での運用を考えていました。そうなると気になるのがHDDの故障です。2ベイモデルだし、ファーム配信してるし、いいじゃんと思っていたのですが。

まず、これは以前から知ってはいたのですが、RAID0は同時期に購入したHDDを使用し、同じような使い方をすることが多いので同じようなタイミングで壊れることが多いです。2ドライブモデルだとややリスキー。

ただ、ファームがWeb上で配信されているので大丈夫だろうと思っていたのですが、これが罠でした。実は初期でHDDが搭載されているモデルのファームウェアはアップデート専用の形式であり、ファイルサイズが小さいです。つまり、HDDを空にした状態では使い物にならないファームウェアになります。

で、それならドライブレスモデルのファーム引っ張って来ればいいじゃん、となるのですが、S/Nを打たなければいけないというさらなる罠が存在。つまり、ドライブレスモデルユーザー以外にはクリーンインストール用のファームは配信しないという体勢。これはHDD標準装備モデルでRAID0で運用するには非常にリスキーです。

2000円のHDD 2TB分とトラブル時の対応を天秤にかけたとき、明らかにドライブレスモデルを最初から選んでおいた方が面倒がなさそうなので、筆者はドライブレスモデルを選びました。

ドライブ付きモデルでも、デュプリケーターとかでクローンしておいてやればもしかしたら使えるのかもしれません。

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上がドライブ付き用ファーム、下がドライブなし用ファーム。サイズが全く違う上に、ファイル名からも用途が異なることが分かります。

 

中身は、NAS用ではない。

余談ではありますが、今までのレビュー等を見る限り、ドライブ付きモデルに内蔵されているHDDは旧WD GreenやWD Blueの5400rpmモデルのようです。EZRZ辺りが当たり枠っぽいですが、今後のロットはSMRになりそうな予感がします。

そして、WD BlueなのにEZRXとか書いてある謎なHDDの出処がなんとなくわかった気がする...

 

そして、届いた。

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HDDのトレイ、ネジ、ACアダプタ、LANケーブル、説明書

TS3200Dを使っていたこともあり、かなり小型に感じました。縦置きしか想定していないようなので、安定性が心配。

 

HDDを、用意する。

HDDなしモデルを選択したので、HDDを用意します。筆者はNASにそこまでデータを保存しないので、2TB+2TBでRAID0運用にし、4TBとして使います。Ultrastarが3台家にあるので、これを使用。型番はHUS724020ALA640というやつです。

不安要素として、過去にDeskstarNASをI-Oの外付けHDDのガワに突っ込んだら何故か壊れたことがあるので、I-OとHGSTの組み合わせは少し心配。

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Ultrastarは物理的に重いので、おそらく本体よりもHDD 2台の方が重い。トレイの付け方はわかりやすいですが、挿入時はHDDの表面同士が向き合うようにします。

 

ファームを、入れる。

Amazonのレビューを見るに引っかかっている人が多数いるようですが、NASとして使用する前にOSをHDDに書き込む必要があります。この時にPCとUSBメモリが必要な様子。PCはファイルをDLしてUSBに置く用、USBはOSのインストール用です。で、USBはI-O DATA製のを推奨しているようですが、ELECOMの16GBのUSBでいけました。

これであとは初期設定すれば使えます。

 

思ったよりも、わかりにくい。

法人向けであるTeraStationを使っていた筆者であれば、個人向けのLAN DISKは使いやすいだろうと思っていたのですが。これが大外れで全体的にLAN DISKの方がわかりにくいです。

 

純正ソフトが、職務放棄。

本体のランプが緑点灯に変わって処理が完了したので、初期設定をしようと思ったのですが。説明書を見るとLAN DISK CONNECTを使えとのことなので早速インストール。しかし、いつまで経っても一覧にNASが表示されない。PCの再起動やらなにやらしましたが解決せず、面倒になったのでNASのIPを特定してブラウザから入りました。

ちなみにこいつは初期設定終了後に突如表示されるようになり、余計腹が立った。

 

管理者パスワードって、何?

↑の方法で入ったは良いものの、新品のはずが何故か管理者パスワードを要求されました。「手順通りにやるとコケる」と思って投げ出した説明書をもう一度頼ってみると、どうやらパスワード未登録時もこの画面が表示され、未設定時は未入力のままログインを押せとのこと。説明書を投げ出した筆者も悪いですが、個人向けでこのUIは問題がある気がします。

全LAN DISKこのUIなのかは知りませんが、全体的にわかりにくいです。

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上記2点をまとめて説明するスクショ

 

Remote Link 3が、ない。

説明書に書いてある共有→Remote Link 3の項目がありません。HDDレスモデルでは削られた機能なのか?と思いつつ調べているとどうやらパッケージをインストールする必要があるらしい。説明書、まずそれを説明しなきゃだめでしょう。いきなりRemote Link 3ある前提で書くな。

 

レスポンスは、あまり良くない。

設定画面は、ページ切り替えのたびにロードが入るのでレスポンスはあまりよくありません。また、設定変更時にはいちいちNAS本体から音がなります。うるさいとは思いつつ、NASが反応しているかの判断材料になるので筆者はそのままにしています。

 

ログイン承認は、気まぐれ。

上記気になるところは多々ありましたが、百歩譲って許容できる範囲ではありました。が、最高に許せないのがここ。

このNAS、とんでもないことにユーザー名とパスワードが合ってても弾きます。意味不明。

まず、管理画面に入る際に蹴られます。パスワードはiCloudで登録とログインを兼ねているので間違えようがありません。にもかかわらず、蹴られます。ただしこちらについては理由があり、複数端末での同時ログインを防ぐために短時間で複数端末からログイン試行すると蹴る仕様なようです。が、この "短時間" があまりにも長すぎるので、正直不便です。ブラウザ閉じた後もしばらく管理画面に入れません。

最大の問題は、ユーザー機能。こちらは台数制限とか一切かけておらず、共有フォルダのアクセス権を与えたユーザーにも関わらず、パスワードが合っていても蹴られることがあります。あります、というか10回試して9回は蹴られます。酷すぎる。データにアクセスできないのはNASとして問題なのでフォルダのアクセス制限を外しましたが、LAN内なら誰でも入れる状況なので、気分としては良くないです。

ユーザー機能が破綻しているとかいうレベルを超えており、NASとしてどうかと思います。どうかこれが筆者の個体固有の不具合であってほしい。

 

Remote Linkも、同じ。

こいつもパスワードが合ってるのに蹴られました。4〜5回試行して現在はログインできていますが、面倒だった。

 

そして、Remote Linkは評判が悪い。

App Storeのレビューは異様に低いです。実際に、フォルダに入る度にいちいちロードされるのでレスポンスは悪いです。が、評判ほど酷くはないように感じます。確かに動画はRemote Link経由では再生できませんでしたが、音楽程度であれば少し待てば再生されるので許容範囲です。ぶっちゃけ、MEGAの方がここは遅かったです。

MEGAの置き換えという目的もあるので、この点は満足。

 

転送速度は、速い。

TS3200Dの時は何故か上り下りともに60MB/s程度しか出ないという問題を抱えていたのですが、転送速度をウリにしているだけあってHDL2-AAX0/Eは速いです。まず、上りは120MB/sほど。この時点でTS3200Dの2倍近い速度がでています。普通にSATA接続のHDD程度の速度はでるので、ストレスはありません。

下りはなんとピーク時380MB/sでました。Gbに換算すると約3Gb、規格上限突破で何かがおかしいのですが、とりあえず規格値くらいまで出ることはわかりました。

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面倒なのでベンチは回しません。

 

Googleドライブが、改悪された。

1週間以上前からNAS自体は届いていて使ってもいたのですが、下書きに溜めている間にまた気になる話題ができたので触れておきます。AppleiCloudのスキャン機能を諦めたのではないかと言われている他方で、Googleがドライブ内の不適切ファイルを取り締まるようになりました。前から聞いている限りの噂だとGoogleがデータを勝手に消すとかアクセスできなくするのは今に始まった話ではない気がしますが、改めて手を加えるようになるらしいです。たびたびネットメディアが取り上げていますがこの手のデータスキャン機能はろくなものではなく、問題ないファイルでも取り締まられる可能性を十分に秘めている、何よりデータを勝手に検閲されているという状態が非常に気持ち悪いので、NASのリモートリンク機能が使えるようになったのは大きい。

 

一部を除き、満足。

UIとログイン機能の2点を除き、満足です。特に、TS3200Dで問題だった転送速度の問題が解決できたのは大きい。それだけにユーザー機能が破綻しているのが残念。アップデートで解決することを期待です。UIは、慣れるしかない。