Core's Blog

何か、いろいろ書く。

660円で、外付けBDドライブを作る。

ハードオフで偶然手に入れることのできたもので、安く外付けBlu-rayドライブを作ろうという記事です。

 

目次を貼っておくので、作業(分解)しか興味のない方は では、分解。 の見出しまですっ飛ばしてください。

 

 

110円で、BDドライブを入手した。

最寄りのハードオフはいつもあまり良いものが出てこないので期待値低めで物色してたら、110円のUJ272を発掘。見出しでネタバレしているのですが、コイツの正体はBDドライブです。Panasonic製のノート向け薄型ドライブなのですが、パナは総じてドライブに「Blu-ray Drive」とか「DVD Writer」とかわかりやすいことを書かないので、査定時にBDだということに気付いていなかった可能性が高いです。ジャンク品でしたが、CD, DVD, BDすべていけました。

余談ですが、筆者が見ている限りだとハードオフ側の認識ではノート用のドライブはベゼルが付いていないと価値が下がるようです。理由はよくわかりませんが、売るときはベゼルをつけたまま売ることをお勧めします。出典は「ベゼルがないのでジャンクです」という表記をときどき見かける。

今回ベゼルはついていましたが、邪魔なので外しました。

 

550円で、外付けDVDドライブを入手した。

先述のBDドライブより高いのですが、薄型(←ココ重要)の外付けDVDドライブとしてはまあ悪くない値段なので購入。EX-DVD03KというI-O DATA製のものです。特徴はUSB 3.0対応な点程度で、良い意味でシンプルです。

"薄型" とはノートPC向けドライブだけを指しているのではなく、9.5mm厚であることを指しています。実はノート向けのODDには12.7mm厚のものと9.5mm厚の2タイプが存在します。前者は古い規格で、後者は比較的新しいものです。HDDの7mm厚と9.5mm厚の関係のようにはいかず、実はこれらは互いに物理的互換性がなく、12.7mmのガワに9.5mmのドライブを突っ込もうとしても基本的には使えません。ということで、12.7mm厚の比較的流通数が多いものではなく、9.5mmの方を探していたのですが、まさかUJ272を購入した翌日に遭遇できるとは思いませんでした。

欲を言えばホワイトが欲しかったですが、550円で出会えることはなかなかなさそうだったので仕方ない。

 

一応、12.7mm厚のガワでも基板だけ抜き取れば厚さは関係ないので使えます。恐らく、多少安上がりで済みます。が、外付けが目的なのでよく持ち出す、そしてSATA端子はUSBの比じゃないレベルで貧弱なので今回は9mm厚のガワを購入しました。

 

扱いにくい、9.5mm。

この9.5mm厚のドライブですが、筆者のようにいろいろいじくる人間にとっては扱いにくい規格です。というのは9.5mm厚のドライブはノートPCの薄型化の中で流行りだした規格で、その後どうなったかというとドライブレス化が進みました。何が言いたいかというと、流通数が少ないわけです。今回は偶然UJ272とEX-DVD03Kに遭遇しましたが、筆者自身割と奇跡だったと思っています。12.7mmと9.5mmの差は目視でも意外とあり、薄型≒新しめと勘づきやすいので価格設定が割高にされやすいのもネックです。

じゃあ12.7mmのBDドライブを探せばいいじゃん、となるのですがこれも微妙です。大前提として物理動作が発生するパーツは寿命が短いです。ただでさえ寿命が短いドライブがBDになると、さらに故障率は上がります。BDは欠陥レベルで読み書き不良が発生します。実際筆者が同じ日に買ってみたUJ240はBDが読めませんでした。12.7mmな時点で少なくとも8年程度は前の製品である可能性が高いので、安くない限りは手を出したくないというところです。

救済として、この手のドライブにはどのメーカーも大抵製造日を記載しています。それをある程度の参考にするのはアリです。

 

UJ272の、スペック。

Panasonic製。BDXLに対応しており、BD-Rだと6倍速まで出ます。欲しい情報はここだけ。DVDとかCDはBDの読み書き性能ほど重要ではないので無視。

 

EX-DVD03Kの、スペック。

I-O DATA製。読み書き性能は、元から入っているドライブは正直どうでもいいので無視。USB3.0に対応していて、別売りのACアダプタからも電源が取れるようです。

因みに、BD化する人間に気を遣ってかベゼルに余計なことが書いてありません。BDロゴ書いてないけどBD使えるネタドライブ化しないので、地味にありがたい。この話は半分本当です。後述します。

 

USB3.0は、意味がない。

EX-DVD03KはUSB 3.0に対応していますが、コイツの限界であるDVDの8倍速はだいたい90Mbpsを少し下回る程度なので、USB 2.0の480Mbpsでも実効値を考慮しても頭打ちになることはありません。

が、このモデルには兄弟モデルが存在し、実は公式でBDドライブであるEX-BD03Kが存在しています。先述の、ベゼルに何も印字されていないのはこれらのパーツの共通化だと思われます。ではBDならUSB 3.0を必要とするかというと、そうでもありません。確かにBDの16倍速は480Mbpsを上回るのでUSB 2.0では足りませんが、EX-BD03KはBDは6倍速が限界であり、216Mbps程度になります。つまり、USB 3.0はあまり意味がありません。

 

と、思っていたのだが...

じゃあ何故USB 3.0に対応している?という話になってきます。EX-BD03Kのページにこんなことが書いてありました。

※USB 3.0接続時の最大書き込み倍速です。USB 2.0接続時は最大倍速には達しません。

引用元

EX-BD03シリーズ | ポータブルブルーレイドライブ | IODATA アイ・オー・データ機器

 

EX-DVD03Kのページではこんなことは書いてありません。つまり、DVDではUSB 3.0なんてどうでもいいが、Blu-rayでは6倍速でもUSB 3.0が必要になる、ということになります。転送速度的にはUSB 2.0でも足りるにもかかわらず、です。

割と真剣に2分ほど考えたのですが、筆者が思いついた可能性は2つです。

 

USB 2.0の実効値を、考慮している。

USB 2.0の理論値は480Mbpsですが、大体有名な話でこの手の理論値やら規格値やらは願望が占めている割合が多いです。USB 2.0の実効値はだいたい250Mbps~300Mbps程度らしく、これを考慮すれば216Mbpsが頭打ちになる可能性は否定できません。ただし、BDの6倍速側の216Mbpsという数字も理論値であるということを考慮していません。であれば、USB 2.0の実効値を考慮している可能性はそこまで高くないように感じます。

 

供給電力の、問題。

筆者はこれじゃないかなーと勝手に思っていますが、I-Oに聞いたわけでも、試したわけでもありません。USB 2.0は500mAまでしか電力を供給できませんが、USB 3.0は900mAの電力を供給できます。PC周辺機器でバスパワーで駆動するものの中では、外付けドライブはそこそこ電気を食う部類なので、有力なのはこちらです。

 

勝手にまとめると、USB 3.0は思っているほど重要性は高くはないが、BDで使うならあって損はない、という程度です。USB 2.0でもバスパワーでBDドライブは動きますし、実際USB 2.0な外付けBDは流通しています。

 

余談が長くなりましたが...

では、分解。

ポピュラーそうなドライブの割には分解事例が少なかったので書き残しておきます。

まず、本体を裏返してUSB端子側のゴム足を2つ外します。

ねじが出てくるので、外します。

天板をディスク取り出し口の方へスライドさせ、外します。

USB端子を背面としたときの左側面に、ドライブと本体を固定するねじが2か所あるので外します。

銀色のテープをドライブから剥がし、ディスク取り出し口の向きへドライブをスライドさせて本体から取り外します。

ドライブの穴にクリップなり細いものを刺して強制排出します。左右両端でベゼルが固定されているので、割らないように気を付けながら取り外します。ドライブのベゼル外しはツメがかたいので割と難しいです。

あとはUJ272をぶっさして逆の手順で組み立てれば完成です。

 

EX-DVD03Kの、中身。

公式ページで「Panasonic製ドライブを採用」「高信頼・高品質の国内メーカー製」という宣伝がされています。これがどの程度効果があるのか知りませんが、中身はUJ8G2だったのでとりあえず本当です。UJ8G2にMade in Philippinesとは書いてありますが。

因みに、このガワはデバイス名に中身も表示してくれるので答え合わせ自体は分解前にできています。

 

気になった、こと。

筆者宅にはUJ272がもう1台存在し、そちらはLavieの内蔵ドライブとしてたまに活躍しています。気になったことは、Windows側で認識される型番が違う点です。まず、外装に表記されている型番、これはUJ272で同じです。

一方、Windows側で認識している型番は、110円UJ272はUJ262として、元からLavieにくっついている方はUJ272として認識されます。

ガワを経由するからでは、と思ったのですが、Lavieに元からついていたUJ272を外して、今回購入したUJ272の方を取り付けるとやはりUJ262として認識されます。

"USB Device" 表記がないということで、LavieSATAポートに直刺ししている状態です。つまり、ガワの問題ではなく今回購入したUJ272側の問題ということになります。

 

性能差がなければ、問題にはならないが...

特にPCパーツでは、中身は同じでも型番だけ変えて売り出されるケースは多々あります。UJ262という型番のドライブは、実在します。UJ272がこれのリネームというだけであればさほど問題はないのですが、実は性能差があります。UJ262はBD-Rの書き込み速度は4倍速ですが、UJ272は6倍速と、微妙に速いことになっています。

「UJ262比UJ272は音が静か」なんて報告もあるので構造も違うものと思われます。プラシーボ効果的なものは否定できませんが、実際に本家UJ262を筆者が触ったわけではないので不明です。

ラベルに印字されている情報での違いは

元からあるUJ272はMANUFACTURED 2015 HW 1.00 FW 1.01

今回購入したUJ272はMANUFACTURED 2014 HW 1.00 FW 1.31

という感じで、製造日が若干古いのと、FWが違います。UJ262からの移行期で、名称が変わっていなかったという感じでしょうか。

 

動作不良は、ない。

じゃあこれで何か問題が起きているのかというと、そんなことはありません。BDは普通に読めますし、速度が遅いといったことはなくむしろ読み取りは今まで使っていたDVDドライブよりも速い気がします。

 

Win10でも、書き込める。

UJ272の情報を集めている中で、某質問サイトで「Win10をアップグレードしたらUJ272で書き込みができなくなった」という事例がありました。そちらの詳細は不明ですが、筆者の環境ではWindows 10 21H2なPCでUJ272からBDに書き込めました。そのスレッドではWindows10が**という形で結論がつけられていますが

・UJ272が故障している

・ソフトウェアに問題がある(書き込みソフトとWin10の相性等)

・ディスクに問題がある

のどれかな気がします。いずれにしても筆者にはあまり関係がないので、とりあえずUJ272はWin10でも使えます、という話でした。